リノベーションを考える際、「何から始めれば良いのか?」「予算内で本当に理想の家になるの?」といった疑問を持つ方は多いと思います。初めてのリノベーションを検討していると、どこまで手を加えられるのかや、どこに制約があるのかが不明確で、不安になるものです。また、せっかく費用をかけても、思い描いた仕上がりにならなかったらと心配されることもあるでしょう。

この記事では、「リノベーションとは?」という基本的な知識から、戸建て住宅におけるリノベで「できること」と「制約」について詳しく解説します。この記事を読み、リノベーションの具体的な内容を知ることで、理想の住まいを実現するために必要な知識の習得や、理想の住まいを実現するための第一歩が踏み出せるはずです。

PROFILE

リノベ秋田編集部

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

リノベーションとは?

工事計画

リノベーションを始める前に、まずその定義をしっかり理解することが重要です。リノベーションとは、既存の建物を改修し、新しい価値を加えることを指します。

具体的には、老朽化した部分を修繕するリフォームとは異なり、住まい全体のデザインや機能を向上させる大規模な改修を行うものです。例えば、使い勝手が悪い間取りを変更したり、エネルギー効率を向上させるための設備を導入したりします。こうした改修により、快適な住環境が実現できるのです。

リフォームとリノベーションの違いは混同されがちです。リフォームは、簡単にいうと、リノベーション工事の一部です。元の状態に戻すまでがリフォームで、さらに性能や使い勝手を大幅に良くする大規模改修まで行うのがリノベーションです。

リノベーションとリフォームの違い

5種類のリノベーション工事

内装工事

リノベーションの工事には下記の5つの種類があります。それぞれの工事について詳しく説明していきます。

・模様替え
・修繕
・設備更新
・性能向上
・増改築

模様替え

家具の配置換えやインテリアの変更をイメージする方も多いと思いますが、「模様替え」とは、間取りは変えずに、内装の改修工事のことを指します。

壁や床を張り替えたり、収納を増やしたり、床下や壁内に新しく配線したりというだけでなく、和室を洋室に変える、窓を増やすといったケースも含まれます。

修繕

建物の老朽化や破損部分をや壊れた部分を修理し、原状回復することを目的とした部分的な工事のことを指します。イメージしやすいのが、外壁工事です。工事をすることで、ヒビが入っていた壁が新築の時のようにきれいになりますよね。これを「修繕」といいます。

その他にも、ずれたり破損した瓦屋根の修繕、屋根の葺き替えなども例としてが挙げられます。建物の主要構造部分である、基礎や梁、柱などに問題が生じたが場合は、表面的な補修をするのではなく、その原因から取り除くための工事が必要です。

設備更新

建物内の老朽化した設備や、生活スタイルの変化によって使いにくくなった設備を、新しいものに取り替える工事のことを指します。チラシ等でよくみる、リフォーム工事がこれにあたります。キッチン、浴室、トイレ、洗面所などの水回り設備の更新が一般的です。

設備更新では、単に機器を交換するだけでなく、配置変更に伴う配管や配線の工事、さらには電気系統や内装の変更なども行う場合があります。

性能向上

建物をより快適で安全な空間にするために、様々な改修を行う工事のことを指します。①壁や天井、窓を断熱仕様にする、②床暖房を入れる、③屋内各部をバリアフリー化する、④耐震性を強化する、⑤防火・防犯性能を高める、などが挙げられます。

手すりを付けたり窓のサッシを交換する程度の小さな工事から、床や壁を全面的にはがすような工事まで、工事の規模は目的に合わせてさまざまです。

増改築

増築は、部屋を1つ増やしたり、既存の部屋を拡張したりなど、建物の床面積を増やす工事のことを指します。

一方、改築は、壁を撤去して部屋を一つにまとめたり、階段の位置を変えたりするなど、床面積は既存のままで、間取りなどを変更する工事のことを指します。

さらに、減築もあります。子供が独立するなどで使わなくなった空間を取り去り、必要な居住スペースをより快適なものにすることなどが事例として挙げられ、床面積を減らす工事のことを指します。

リノベーションでは、どれかひとつのやり方を選択するというものではありません。リフォームにあたる、1.模様替え、2.修繕、3.設備更新。これに、4.性能向上、5.増改築を加えた、それぞれの工事を暮らしの悩みに合わせて必要に応じて組み合わせていくことになります

戸建てリノベーションで「できること」

renovation Before After

戸建て住宅のリノベーションでは、自由度が高く、多くの可能性を追求できますが、一方で限界も存在します。ここでは、戸建てリノベーションの「できること」について詳しく解説していきます。

・間取り変更
・設備の効果や移動
・断熱性能の向上
・配管や配線の変更
・省エネ性能の向上
・リノベーションができる部分をイラストで解説!

間取り変更


間取りの変更は、生活スタイルに合わせた最適な空間を作るために非常に有効な手段です。例えば、壁を取り除くことで、狭かったリビングが広々とした空間に変わります。また、キッチンとダイニングを一体化させて、家族が集まりやすい空間を作り出すことも可能です。

設備の交換や移動

古くなったキッチンやバスルームなどの設備を最新のものに交換することで、日常生活の利便性が向上します。さらに、キッチンの配置を変えて、家事の効率を上げることも可能です。設備の選定次第で、快適さだけでなくデザイン性も向上します。

断熱性の向上

壁や床、天井に断熱材を追加することで、室内の温度を保ちやすくなり、冬は暖かく、夏は涼しい環境を作り出すことができます。断熱性能の向上は、エネルギーコストの削減にも繋がり、環境にも優しい選択肢です。

配管や配線の更新

水道管や電気配線が古くなると、安全面でのリスクが高まります。リノベーションを機にこれらの配管や配線を新しくすることで、安全性と利便性が大幅に向上します。また、今後のメンテナンスコストも削減できます。

省エネ性能の向上

最新の断熱材や二重窓、エネルギー効率の高い設備を導入することで、省エネ効果が期待でき、光熱費の節約にもつながります。例えば、夏場に外気をシャットアウトし、冷房の効率を上げることで、快適な室内環境を保ちながらコストを抑えることができます。

リノベーションができる部分をイラストで解説!

戸建てリノベーション 工事できる場所

◎電気・給排水設備

移設、増設などは、ほぼ可能です!新たに床暖房を設置することもできます。オール電化にするときは、200Vの電源が必要になるので、引き込み工事が追加になる場合もあるので、注意が必要です。

◎外壁

素材を変更して、つくりかえることも可能です。その場合は、一度地域の防火規制を確認しましょう。

◎玄関ドア

変更はできますが、まわりの壁の補修が必要になります。また、防火規制の確認も必要です。

〇サッシ

まわりの壁の補修が必要になりますが、基本的に取り換え可能です!また、新設する場合は、建物の強度に影響がない場合は可能です。ただし、防火・準防火地域には設置可能なサッシの基準があるので、確認しておきましょう。

〇構造補強

木造の場合は柱や壁の補強が比較的簡単にできます。さらに、コストはかかりますが、建物を浮かせて基礎をつくりかえることも可能です。

〇屋根

葺きかえや防水処理のやりかえができます。木造の場合は、トップライトを作ることも可能です。その場合は、補強工事が必要な場合もあるので、確認しておきましょう。形状については、コストはかかってしまいますが、変更は可能です。

〇間仕切り壁

木造在来工法や鉄骨なら撤去や移動も可能です。しかし、2×4工法の場合、動かせない部分もあるので注意が必要です。

△天井

屋根裏にスペースがあれば、内装をはがして天井高をあげることができます。また、吹き抜けを作ることも可能です。しかし、工法によっては撤去できない構造体もあるので注意が必要です。

△床

基礎の形状次第では、土間や掘りごたつをつくることもできます。

戸建てリノベーションにある2つの制約

建築 法律

戸建てリノベーションの計画を進めるうえで2つの制約に注意しなくてはなりません。これを抑えないと失敗にもつながってしまいます。下記の2つの制約について解説していきます。

・建物の構造上の制約
・法的な制約

建物の構造上の制約

戸建ての場合は、マンションをリノベーションするときよりも制約が少ないため、1階部分や2階部分のみなどの平面のほか、吹き抜けを作るなど上下階をも含めた大胆な間取り変更が可能です。ただし、建物の工法によっては壁や梁が撤去できないなどの構造上の制約もあるので確認が必要です

さらに、その制約はお家を建てる時の工法によって異なりますので、工法別に長所・短所をまとめました。

構造軸組み工法

柱や梁などの木材で骨組をつくり、すじかい(ブレース)で補強する工法です。
<長所>
・間取りの自由度が高い
・大きな窓や開口部をどこにでもつくることができる
・増改築が用意で部材も豊富

<短所>
・大きな吹き抜けを作るには、特殊材を使う必要がある
・耐震性をあげるなら、耐力壁を高める必要がある
・家を長持ちさせるなら、防蟻・防腐処理を十分にする必要がある

2×4工法(ツーバイフォー)

2×4インチの木材で枠組みをつくり、面で支える構造で、北米から導入されたといわれる工法です。枠組み壁工法とも呼ばれています。
<長所>
・強い耐震性がある
・構造体に隙間がないため、気密性・断熱性・防火性に優れる
・部材が規格化されているため、工期が短い

<短所>
・増改築がしにくい
・大きな窓などの開口部をつくるのが難しい
・気密性た高いため、湿気対策が重要

木質パネル工法

床、壁、天井を規格化したパネルとして工場で生産し、現場で組み立てる工法です。
<長所>
・品質が安定している
・コストを軽減できる
・工期がとても短い

<短所>
・間取りの変更等が難しい場合がある
・設備機器や仕上げ材などが限定される場合がある

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋が持つ強い靭性と引張強度、コンクリートが持つ高い圧縮強度、この2つの特徴をあわせ持つ工法です。家自体は、柱がなくて床と壁で構成されています。
<長所>
・柱がないためスッキリした空間に
・設計時の自由度が高い
・遮音・耐震・耐火・耐久性に優れている

<短所>
・間仕切り壁の撤去や移動が困難
・配筋が複雑に入り組み、配管や配線の変更が難しい
・工期が長く、コストが高い

法的な制約

リノベーションに関わる法律は、建築基準法や都市計画法など、様々なものが関係してきます。これらの法律は、建物の構造や防火対策、周辺環境など、様々な側面から安全性を確保するために定められています。

<建築基準法>
建物の構造、防火、衛生など、建築物に関する最低限の基準を定めています。リノベーションによって構造を変更したり、用途を変えたりする場合には、この法律に適合させる必要があります。

<都市計画法>
都市計画区域内での建築物に関する制限を定めています。建物の高さや容積率、用途などが制限される場合があります。

リノベーションを成功させるためのポイント

key point

リノベーションを成功させるためには、事前の計画と準備が不可欠です。以下のポイントを押さえることで、スムーズにリノベーション工事を進めることへと繋がります。

・やりたいことを明確にする
・生活動線を考慮する
・専門家との相談
・秋田の地域性を考慮する

やりたいことを明確にする

最初に、どの部分をどのように改善したいのかを具体的に考えることが重要です。たとえば、「キッチンをもっと広くしたい」、「リビングを明るくしたい」といった要望をリストアップし、それに優先順位をつけて計画を進めると、予算内で理想の住まいを実現しやすくなります。

生活動線を考慮する

リノベーションでは、見た目だけでなく、生活動線も考慮する必要があります。たとえば、キッチンからダイニングまでの動線を短くすることで、料理や片付けが効率的に行えるようになります。家事動線の改善は、日々の生活をより快適にする大きなポイントです。

専門家との相談

リノベーションを成功させるためには、専門家の意見を積極的に取り入れることが大切です。建築士やインテリアデザイナーと相談しながら進めることで、アイデアを具体的な形に落とし込むことができます。自分の希望をプロに伝え、技術的なアドバイスをもらうことで、完成度の高いリノベーションが実現します。

秋田の地域性を考慮する

秋田は冬が長く、雪が多く降る地域です。リノベーションを成功させるには、秋田の風土に対応したお家にすることも大切です。例えば、外壁や窓の断熱性能を向上させ、結露防止をしたり、屋根の勾配や雪止め金具などの雪対策を行ったりするなどがあります。

さらに、中古住宅を購入し、購入した住宅をリノベーションしようと考える方の場合、秋田には築年数の古い住宅が多いため、耐震補強やシロアリ対策、配管の更新なども併せて検討する必要があります。

リノベーションの費用目安は?

家を建てる費用

リノベーションは行う工事内容によって、費用の目安が異なります。また、費用を抑える方法もありますので、解説します。

・フルリノベーションの費用
・間取り変更の費用
・設備交換の費用
・外壁や屋根の修繕の費用
・配管や配線の更新の費用
・その他の費用
・コストを抑える工夫

フルリノベーションの費用

フルリノベーションの費用は、改修の範囲や使用する材料、地域などによって異なりますが、一般的に数百万円から数千万円かかることがあります。例えば、古い住宅を全面的に改装し、最新の設備を導入する場合、1000万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

間取り変更の費用

壁の撤去や新たな間仕切りの設置には、50万〜200万円ほどの費用がかかります。壁を取り除く際に、構造上の制約がある場合は費用が増加する可能性もあります。

交換設備の費用

キッチンやバスルームの交換は、設備のグレードによって大きく変動しますが、一般的にキッチンで100万〜300万円、バスルームで50万〜200万円が目安です。

外壁や屋根の修繕の費用

外壁や屋根の修繕は、建物全体の保護や美観に関わるため、50万〜200万円程度の費用がかかります。特に断熱性能や耐久性の高い素材を使用する場合、さらに費用がかさむことがあります。

配管や配線の更新の費用

水道管や電気配線の更新は、古い建物において特に重要な工事です。安全性を確保するためにも、100万〜300万円程度の予算を見込んでおくと良いでしょう。

その他の費用

費用には、物件自体の購入費に加えて、設計費用、工事費用、設備や内装の材料費などが含まれます。また、リノベーション中の仮住まいや引っ越し費用も計算に入れておく必要があります。

コストを抑える工夫

リノベーション費用を抑えるためには、計画段階での工夫が重要です。例えば、すべての部屋をリノベーションするのではなく、使用頻度の高いキッチンやリビングなど、優先度の高い場所だけを改修することで、予算を抑えることができます。

また、素材や設備の選定にも工夫が必要です。高級な素材を使うことで見栄えは良くなりますが、費用がかさむ可能性があります。そのため、耐久性が高く、コストパフォーマンスの良い素材を選ぶことがポイントです。

さらに、DIYでできる部分を自分で手掛けることで、コストダウンを図ることも可能です。

まとめ

リノベーションは、既存の住まいを自分好みに作り変え、快適で機能的な空間を実現するための有効な手段です。しかし、リノベーションを成功させるためには、計画段階で「できること」と「できないこと」をしっかり理解することが重要です

建物の構造や法的な制約を考慮しつつ、間取り変更や設備の交換、断熱性能の向上など、住まいの可能性を最大限に引き出すためのアイデアを取り入れましょう。

また、リノベーションを成功させるためには、専門家との相談が不可欠です。デザイナーや建築士と一緒に理想の住まいを具体化し、技術的なアドバイスをもらうことで、計画がスムーズに進みます。そして、費用についても事前にしっかりと予算を組み、コストを抑える工夫を講じながら進めることが、リノベーション成功のカギとなります。

リノベーションは、一度に全てを変える必要はありません。優先順位をつけ、段階的に改修を進めることで、理想の住まいを現実のものにできます。最終的には、リノベーションによって、自分自身や家族にとって最も快適な空間を手に入れることが目標です。

PROFILE

リノベ秋田編集部

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。