「キッチンから料理をしながら家族と会話を楽しみたい…」 「使っていない洋室を有効活用したい…」など、こんなお悩みありませんか?これを解決するのが、間取り変更リフォームです!

リビングやキッチン、和室など、家庭内の複数の部屋を一つにつなげる、間取り変更のリフォームは、近年ますます人気が高まっています。特に、広々とした開放感のある空間を作り出せるため、家族とのコミュニケーションを円滑にし、住まい全体の使い勝手を大きく向上させることができます。

しかし、リフォームにはメリットだけでなく、慎重に考えるべきデメリットや注意点も存在します。

この記事では、壁を壊して部屋をつなげる間取り変更リフォームの基本的な知識から、実際の事例、費用の目安、成功させるためのポイントまで、詳しく解説していきます。これからリフォームを検討している方にとって、失敗しないための参考にしてみてください。

壁を壊して部屋をつなげる間取り変更リフォームとは?

間取りを変更するリフォームではどのようなメリットがあるのでしょうか?また、このリフォームをおすすめする方も紹介しております。ご自身が該当するか確認してみましょう。

リフォームの概要

壁を撤去して2つの部屋を1つにするリフォームは、住まいの空間を広げ、家族との交流を促進するための一般的な手法です。

たとえば、リビングとキッチン、和室とリビングをつなげることで、より開放的で使いやすい空間を作ることができます。キッチンとダイニングが一体化するダイニングキッチンでは、料理をしながら家族とコミュニケーションを取りやすく、よりオープンで使いやすい空間を実現できます。

メリット

このリフォームの一番の特徴は、空間が広く感じられることです。狭い部屋に区切られていた家が一続きの空間になることで、広々とした解放感を得られます。また、動線も改善され、部屋間の移動がスムーズになり、家事の効率も向上します。

広い空間はおしゃれなインテリアを実現するための理想的な環境を提供します。開放的な空間を活かしやすく、デザインの自由度が高まります。広いスペースでは、家具の配置がしやすく、色や素材の組み合わせを楽しむことができます。

こんな人におすすめ

このリフォームは、以下のようなニーズを持つ人々に特に適しています。

広いリビングが欲しい人

部屋をつなげることで、広々としたリビングを手に入れることができます。

家族とのコミュニケーションを大切にしたい人

料理中でも家族との交流を楽しみたいという人にとっては、キッチンとリビングを一体化することで家族との時間を増やせます。

使っていない部屋を有効活用したい人

和室や書斎など、使っていない部屋を有効に使いたい場合、壁を取り払うことで新たなスペースとして活用できます。

家全体の間取り変更なら、スケルトンリフォーム

家 構造 スケルトン

大胆に間取り変更をしたいなら、スケルトンリフォームがオススメです。ここでは、その概要とメリットについて紹介します。

スケルトンリフォームの概要

間取りを変更する場合、スケルトンリフォームという工法があります。スケルトンリフォームとは、間仕切り壁を取り除いて構造体だけの状態にし、内装工事を一から行う方法です。お家全体の間取りを変えることができます。

このアプローチでは施工面積が広くなるため費用がかかりますが、部分リフォームを繰り返すよりも結果的に経済的になる場合もあり、デザインの一貫性を保つことができます。

メリット

スケルトンリフォームの最大のメリットは、全面的に間取りを見直すことができることです。家族構成の変化など、生活に大きな変化があった際にも柔軟に対応できます。このプロセスを通じて、より快適で機能的な空間を創り出すことが可能です。

また、スケルトンにすることで構造体の状態を確認でき、老朽化した配管や配線をとりかえられます。コンセントやスイッチの位置も暮らしに合わせて変更、新設することができます。

開放感のある部屋にする工夫とは?

「広くて、解放感のある部屋にしたいけど、床面積が変えられない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。限られたスペースの中でも、開放感のお部屋にする工夫があるので、マンションと戸建て住宅に分けてご紹介します。

マンションの場合

マンション

マンションの場合は、天井板をはがして体をむき出しにするスタイルが人気です。天井高がとれて、開放感が生まれます。ただし、配管や配線が露出するので、見栄えのいい配管に変えて、配線を綺麗に整える必要があります。

また、構造によっては真上の部屋の配管がむき出しになり、水温がじかに伝わるケースもあるので注意しましょう。

戸建ての場合

斜天井

戸建ての場合、最上階の天井板を取り外して屋根なりの勾配天井にすることで、豊かな開放感を得ることができます。

勾配天井は、床面積がそのままでも、天井を高くすることで、実際の面積以上に広がりを感じさせる効果があります。また、自然光をたっぷり取り入れ、空気の流れを良くすることで、圧迫感のない開放的な空間を実現することが可能です。

この際、屋根断熱を施すことが重要なのですが、築年数のある木造の建物では、天井が上階の床と共通のじか天井になっている場合、天井板を取り外すことはできませんため、注意が必要です。

壊しても良い壁・壊せない壁とは? 

今のお家をどんな間取りにも変更できると思っていませんか?必ずしもそうとは限りません。実は壊すことでお家の倒壊にまでつながってしまう大事な壁や柱が建物には存在ます。そこでここでは、壊してもいい壁の特徴、壊せない壁の特徴を説明します。

壊しても良い壁

リフォームにおいて、すべての壁が自由に壊せるわけではありません。壊しても良い壁は、家の強度や構造に影響を与えない「非構造壁」です。これらは、間仕切りとして使われている壁であり、空間を区切るために設置されているだけなので、比較的容易に撤去することが可能です。

たとえば、リビングとダイニングの間の壁や、和室とリビングを分けている壁がこれに該当する場合があります。

壊せない壁

一方で、壊してはいけない壁も存在します。これが「構造壁」と呼ばれる壁で、家全体の強度や安定性を保つために重要な役割を果たしています。構造壁を誤って壊すと、家全体の耐久性が低下し、地震などの災害時に危険を伴うことがあります。

特に、外壁や柱と一体化している壁は、壊すと家全体のバランスが崩れる恐れがあるため、非常に慎重な判断が必要です。

専門家の判断が必要

素人ではどの壁を壊せるか判断するのは難しいため、リフォーム前に建築のプロに調査を依頼することが重要です。特に一戸建てでは、耐力壁が構造計算に基づいて配置されているため、見た目では判断ができません。

耐力壁を安易に撤去すると耐震性に影響するため、リノベーションや大規模リフォームを得意とする会社や建築の専門家に相談することが大切です。

リフォーム費用と工期の目安

calendar

間取り変更は大きな工事になりがちです。そのため、費用や工事期間について気になる方も多いことでしょう。

費用の相場

小さな仕切り壁を取り除く場合

部屋を仕切っていた壁を撤去する小規模な間取り変更の相場は、10~50万円です。しかし、仕切りをとる広さや使用する素材により費用が異なります。

大きな仕切り壁を取り除く場合

一方、リビングとダイニングを1つの大きな部屋にするなどの大規模な間取り変更の相場は、50~200万円です。壁の撤去に加えて、床材や天井の補修、電気配線の変更も必要になることが多いため、これらを含めた費用が発生します。耐震性を保つための補強工事や天井を高くする工事も行う場合はさらにコストがかかります。

家全体を間取り変更する場合

もっと大規模に、家全体をスケルトンリフォームする場合の費用は、リフォームの規模や地域によって異なりますが、一戸建ての場合、1000万円~2500万円程度マンションの場合、500~1000万円程度が目安とされています。スケルトンリフォームは、全てを解体し構造から再構築するため、工事規模が大きく費用が高くなります。

このように、リフォームの目的や希望するデザインによっても価格は大きく変わるため、事前にしっかりとプランを考え、リフォーム業者に相談することが重要です。

費用を抑える方法

費用をできるだけ抑えるためには、いくつかの方法があります。

複数業者から見積もりを取る

いくつかのリフォーム業者に見積もりを依頼し、価格や内容を比較することで、より良い条件でリフォームを依頼できます。

補助金や助成金を活用する

地域によっては、リフォームに対する補助金や助成金が提供されていることがあります。特に省エネ対策や耐震補強を伴うリフォームには、国や自治体からの支援を受けられる場合があります。

工期の目安

小規模な間取り変更の場合は、約1~2週間程度で比較的短期間で完了します。一方、複数の部屋をつなげる大規模な間取り変更の場合は1ヵ月程度が目安です。設備の移動が含まれる場合は工期が長くなることもあります。

家全体の間取り変更をするスケルトンリフォームの場合は、一般的にマンションでは2~3ヵ月、戸建て住宅の場合は約3~4ヵ月程度が目安です。しかし、リフォーム会社との打ち合わせの期間があったり、マンションでは、事前に管理規約の確認や工事許可の取得が必要となるため、準備期間が延びることも考慮しておく必要があります。

部屋をつなげるリフォームの注意点

attention

部屋をつなげるリフォームには、以下のような注意点があります。事前に確認しておきましょう。

  • 配管や配線の問題
  • 床に穴が空く問題
  • 断熱と空調の調整
  • マンションの管理規約

配管や配線の問題

壁の中には電気配線や水道管が通っていることがよくあります。これらを移設する場合、追加の工事費用や工期がかかることがあります。特に、キッチンやバスルームに隣接する壁を撤去する際は、注意が必要です。専門家に相談し、事前に壁の内部構造をしっかりと確認することが大切です。

床に穴が空く問題

リフォームの際、壁を撤去すると元々壁があった部分の床に穴が空いてしまいます。通常、壁のあったスペースにはフローリングや畳がないため、既存の状態では床が不均一になってしまいます。

そのため、壁を撤去する際には、同時に床をつなげる工事も必要になります。費用を見積もる際は、この点もしっかり確認しておきましょう。

断熱と空調の調整

広い空間にすることで、空調効率が低下することがあります。以前は区切られていた部屋が一体化することで、冷暖房の効果が薄れることがあります。そのため、断熱材の追加やエアコンの増設を検討する必要があるかもしれません。また、窓の位置や数も考慮して、自然光や換気のバランスを保つことが重要です。

マンションの管理規約

マンションでのリフォームには特有の制約があります。マンションの管理規約には、壁を壊すリフォームなどの大規模なリフォームが制限されている場合が多くあります。リフォームを計画する際は、まず管理組合や管理会社に事前に相談し、必要な手続きや許可を確認しておきましょう。

実際のリフォーム事例

ここで、実際に当社が手掛けた、間取り変更リフォームの事例をご紹介します。

事例1 3部屋を1つの回遊動線のLDKに!

施工事例1

リビングとキッチン、洋室が別々だった3部屋を、収納もたっぷりある広々回遊動線のLDKにしました。また、リフォーム前は壁付きのキッチンで暗く、家族との会話がしにくいというお悩みがありましたが、対面キッチンと間取り変更によりご家族が近くに感じられるあたたかな空間になりました。

事例2 2部屋を白に統一した1部屋に!

施工事例2

キッチンとリビングが扉で分かれていましたが、その扉と壁を取り除き一部屋にすることで開放的なLDKにしました。また、クロスを白を基調とした壁と床に、木材柄の家具や建具、キッチンが映え、明るくゆったりくつろぐことのできる空間になりました。

事例3 吹き抜けをつくることも!

吹抜 After

使われていなかった2階の洋室を無くし、1回のリビングと繋がる吹き抜けをつくりました。吹き抜けの窓からは、一階部分にあたたかい光が降り注ぎます。また、2階にいるご家族とのコミュニケーションも簡単にできますよ。

部屋をつなげるリフォームのデメリット

お部屋をつなげることは、必ずしもメリットだけがあるわけではありません。下記のようなデメリットも把握し、納得したうえで、リフォーム計画をたてましょう。

  • プライバシーの喪失
  • 音や匂いの問題
  • 住みながらのリフォームが難しい場合も

プライバシーの喪失

部屋をつなげることで広い空間が手に入る一方で、プライバシーの確保が難しくなることもあります。特に、家族それぞれが個別の時間を過ごしたいときや、静かに集中したいときには、仕切りのない空間では不便に感じることがあります。

たとえば、リビングでテレビを見ている人と、ダイニングで勉強や仕事をしている人がいる場合、音や動き等が気になることがあります。そのため、空間の使い方を工夫することが必要です。

音や匂いの問題

壁がなくなることで、音や匂いが広がりやすくなります。特に、キッチンとリビングをつなげる場合、料理中の音や匂いがリビングまで広がってしまうことがあります。この問題を解決するためには、換気設備や防音対策を強化することが重要です。

たとえば、強力な換気扇を設置することで、料理中の匂いを効率よく排出し、リビングまで広がるのを防ぐことができます。また、床材や壁材を防音効果のある素材に変えることで、音の問題を軽減することもできます。

住みながらのリフォームが難しい場合も

リフォームは生活しながら行う場合、特に大規模な工事が必要な際は、仮住まいを準備する必要が生じることがあります。

たとえば、壁を壊す作業や配線・配管の交換、移設工事などが行われる場合、騒音やほこり、工事作業員の出入りなどが原因で、日常生活に支障をきたすことがあります。こうした場合、家族が一時的に別の場所に住むことを検討する必要がありますが、その際のコストや手間もリフォーム計画に含めておくべきです。

部屋が分かれているメリットも再確認

広い空間には憧れがあるかもしれませんが、部屋が分かれていることのメリットももちろんあります。「部屋が分かれていることのメリット」と「広い一部屋で繋がっていることのメリット」をそれぞれ押さえ、ご自身の暮らしに合ったお部屋のレイアウトを考えましょう。

  • プライバシーの確保
  • 空調効率の向上

プライバシーの確保

部屋が分かれていることで、それぞれの空間で集中したり、リラックスした時間を過ごすことが可能です。家族全員が同じ空間で過ごすことも大切ですが、個々のプライベートな時間を確保できることも、快適な生活には欠かせません。

特に、仕事や勉強に集中したい場合や、趣味の時間を楽しみたいときなど、区切られた空間は重要な役割を果たします。

空調効率の向上

部屋ごとに分かれていることで、エアコンや暖房などの空調を効率よく使うことができます。広い空間では、エアコンの効率が落ちてしまうことが多いですが、部屋が分かれていると、各部屋ごとに温度調節ができるため、光熱費の節約にもつながります。特に冬場や夏場には、冷暖房効率が良い方が快適で経済的です。

壁を壊して部屋をつなげるリフォームを成功させるために

部屋をつなげるリフォームを成功させるためには、以下のようなポイントがあります。

  • 事前の計画が重要
  • リフォーム業者に相談する

事前の計画が重要

壁を壊して部屋をつなげるリフォームを成功させるためには、まずしっかりとした計画が必要です。リフォームの目的を明確にし、どのような空間を作りたいのか家族の生活動線や快適性を考慮して設計を行うことが大切です。

たとえば、リビングとキッチンをつなげる際には、どこに家具を配置するか、照明の位置やエアコンの効率を考慮して設計を進めることがポイントです。また、リフォームの規模や予算についても事前にしっかりと計画を立て、無理のない範囲で進めることが重要です。

リフォーム業者に相談する

リフォームの成功には、信頼できる経験豊富なリフォーム業者に相談することが不可欠です。専門的な知識を持つ業者に依頼することで、リフォームの安全性や効率が確保されます。

さらに、事前に詳細な見積もりを取得し、費用やプランについて十分に理解した上で進めることで、予期しないトラブルを防ぐことができます。

リフォーム業者とのコミュニケーションを大切にし、希望や不安を伝えることで、満足のいく結果を得ることができます。

まとめ

壁を壊して部屋をつなげるリフォームは、空間を広げ、家族との交流を促進し、生活の質を向上させる効果的な手段です。しかし、壊しても良い壁と壊せない壁の判断や、リフォーム時の注意点、費用の管理など、慎重に計画を立てることが重要です。

また、プライバシーや空調効率といったデメリットも考慮し、自分たちのライフスタイルに合ったリフォームを選択することが大切です。まずは専門家に相談し、最適な計画を立てることで、後悔のない理想の住まいを実現しましょう。