フルリノベーションを検討しているけれど、「本当に自分に合っているのだろうか?」と迷っていませんか?古い住宅を新築同様、またそれ以上に生まれ変わらせるフルリノベーションには、魅力がたくさんあります。一方で、費用や工期の面で予想外の課題が生じる場合もあります。そんな悩みや不安を抱える方は少なくありません。

もし準備不足のまま始めてしまうと、追加費用や工期の延長で失敗や後悔につながる可能性もあります。

この記事では、フルリノベーションのメリットやデメリット、後悔しないための注意点について詳しく解説します。初めての方でも安心してフルリノベーションを成功させるために、ぜひ活用してください!

PROFILE

リノベ秋田編集部

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

フルリノベーションとは?

リノベーションした家

フルリノベーションとは、既存の建物を大規模に改修し、新築同様の状態に再生し、新たな性能を付け加える工事のことです。この工事では建物の構造体(柱や梁などの基本的な骨組み)は残しますが、間取りの変更や設備の更新(耐震・断熱改修など)を行います。

そのため、単なる「修繕」や「改善」ではなく、建物を「再構築」して新たな価値を生み出すのがフルリノベーションの特徴です。

一方、よく比較される「リフォーム」は、傷んだ箇所を修繕して元の状態に戻す工事を指します。例えば、壁紙を貼り替える、床を張り替えるといった比較的小規模な作業がリフォームに該当します。リノベーションは、既存の建物に新しいデザインや性能を加えるという点で、大きな違いがあります。

フルリノベーションのメリット

家 構造 スケルトン

フルリノベーションには多くの魅力があります。ここでは、フルリノベーションのメリットについて紹介します。

  • 自由度の高さ
  • 新築よりもコストを抑えられる可能性
  • 環境に優しい選択
  • 築年数のある物件を活用できる

自由度の高さ

フルリノベーションの最大の魅力は、住まいの間取りやデザインを自由に設計できる点です。例えば、家族が集まりやすくなるような広々としたリビングを作ったり、キッチンや洗濯機の配置を見直して家事動線を効率化したりと、自分のライフスタイルに合わせた設計が可能です。

また、内装や設備を完全に新しいものにするため、住まい全体を自分好みの空間に仕上げることができます。

新築よりもコストを抑えられる可能性

建物の骨組みを活用するため、新築よりも建築材料や工事費を削減できる場合があります。例えば、立地の良い中古住宅(戸建てやマンション)を購入しフルリノベーションを行えば、新築を購入するよりもコストを抑えつつ、快適でモダンな住まいを手に入れることが可能です。

環境に優しい選択

建物を再利用することで、廃材を減らし環境負荷を軽減することができます。これは、地球資源の有効活用という観点からも注目されています。また、古い建物を再利用することで、歴史的な趣や地域の景観を保ちながら家をアップデートできる点も魅力です。

築年数のある物件を活用できる

築年数の経過した中古住宅を最新の設備にアップグレードするため、利便性の高い立地や好条件の場所に住むチャンスが広がります。例えば、駅近で手頃な価格の築古物件を購入し、フルリノベーションで最新の防音設備や断熱性能を追加することで、快適な住まいを手に入れることが可能です。

フルリノベーションのデメリット

悩む女性

フルリノベーションには、注意しなければならないデメリットも存在します。これらを十分に理解しないまま計画を進めてしまうと、予期せぬトラブルや後悔につながる可能性があります。ここでは、フルリノベーションの主なデメリットについて、実例を交えながら詳しく解説します。

  • コストが予想以上に膨らむリスク
  • 工期が長くなる場合がある
  • 住みながらの工事が難しい
  • 築年数による制約

コストが予想以上に膨らむリスク

フルリノベーションでは、当初の予算を超えて費用が膨らむリスクがあります。特に、工事を進める中で解体後に想定外の問題が発覚することが少なくありません。例えば、古い物件では以下のような事例がよく見られます。

  • 老朽化した配管の交換
    築年数の経過した建物では、浴室やトイレなどの水回りの水道管や排水管が錆びたり、破損したりしている場合があります。解体して初めて問題が明らかになることも多く、修理や交換には追加費用が必要です。
  • シロアリ被害や構造の腐食
    木造住宅では、シロアリによる被害や柱・梁の腐食が発見されるケースがあります。これらの修繕には大掛かりな工事が必要になるため、費用が大幅に増加する可能性があります。
  • 断熱材や防水シートの劣化
    古い建物では、壁や屋根の断熱材や防水シートが劣化している場合があり、それを交換するための費用が追加で発生します。

これらの問題は、事前の調査だけではすべてを把握するのが難しい場合もあります。そのため、予算内で計画を進めていたつもりでも、工事の途中で急な出費が必要になるリスクがつきものです。

工期が長くなる場合がある

フルリノベーションは、リフォームのような小規模な修繕と比べて工期が長くなる傾向があります。フルリノベーションは、建物の全面を改修する大規模な工事です。一般的には2~6ヶ月の工期が必要とされますが、場合によってはそれ以上かかることもあります。工期が延びる原因としては以下のようなものが挙げられます。

  • 設計やプランニングに時間がかかる
    フルリノベーションでは、間取りの変更や設備の選定など、詳細な設計が求められます。特に施主の希望が多い場合、プランを練り直す回数が増え、着工までに時間がかかることがあります。
  • 追加工事が発生する
    解体後に予期せぬ修繕が必要になった場合、その分の工事が追加され、スケジュールが遅れることがあります。
  • 天候や施工上のトラブル
    外装工事が含まれる場合、雨天や強風などの悪天候により工事が中断するケースがあります。また、業者のスケジュール管理が不十分な場合、資材の納品遅れや職人の手配ミスなどが原因で工期が延びることもあります。

工期が長引くことで、引っ越し予定日がずれ込んだり、仮住まいの期間が延びてしまったりと、生活全体に影響を及ぼす可能性があります。

住みながらの工事が難しい

フルリノベーションでは、住みながら工事を進めるのはほぼ不可能です。なぜなら、フルリノベーションは、建物全体を解体して作り直す大規模な工事だからです。特に以下のような理由で、一時的に仮住まいが必要になるケースが多いです。

  • 解体工事の騒音や振動
    建物の壁や床を解体する際には、大きな騒音や振動が発生します。この環境で生活を続けるのは現実的ではありません。
  • ライフラインの停止
    工事中は電気・水道・ガスなどのライフラインが一時的に使用できなくなることがあります。特にキッチンやバスルームの改修が含まれる場合、日常生活が成り立たなくなるため、仮住まいへの引っ越しが必要です。
  • 作業スペースの確保
    工事のために大きな機材や資材を建物内に搬入する必要があるため、居住スペースを確保するのが難しくなります。

仮住まいが必要になると、引っ越し費用や一時的な住居費用が発生します。また、荷物の一部を預ける必要がある場合には、倉庫代も考慮しなければなりません。これらの手間やコストを軽視してしまうと、予算やスケジュールに大きな影響を及ぼすことになります。

築年数による制約

フルリノベーションでは、築年数の古い建物を対象にすることが多いですが、これには特有の制約があります。以下のような点が、希望する設計を実現する上で障壁になる場合があります。

  • 耐震基準の問題
    古い建物では、現在の耐震基準を満たしていない場合があります。その場合、耐震補強工事が必要になりますが、建物の構造によっては希望する間取り変更が難しくなることがあります。
  • 法規制の影響
    古い建物が建てられた当時の法律では問題なかった仕様が、現在の建築基準法に適合しないケースがあります。例えば、階段の幅や天井の高さなどが現行の基準を満たさない場合、それを改修するために設計変更を余儀なくされることがあります。
  • 構造上の制約
    木造や鉄骨造の建物では、柱や梁などの構造体を移動させるのが難しい場合があります。このため、希望する広いリビングやオープンキッチンが実現できないこともあります。
  • 老朽化の程度
    築年数が50年以上経過した建物では、基礎部分や構造体自体が大きく劣化している場合があります。このような場合、フルリノベーションよりも建て替えを選択したほうが合理的なケースも少なくありません。

これらの制約を事前に十分理解しておかないと、希望通りの住まいが実現できず、結果的に満足度が低下してしまう可能性があります。

フルリノベーションが向いている人

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フルリノベーションは、住まいを新築同様に作り替えることができる大規模なプロジェクトです。しかし、全ての人にとって最適な選択肢というわけではありません。ここでは、フルリノベーションが向いている人の特徴を紹介します。

  • 古い建物の立地や趣を活かしたい人
  • 自分の理想の住まいを作りたい人
  • 環境やコストに配慮したい人
  • 人気エリアで新築をあきらめようと考えている人

古い建物の立地や趣を活かしたい人

築年数のある建物には、駅に近い好立地や周囲の環境との調和といった新築では得られない魅力があります。例えば、古い住宅街や歴史ある地域にある物件を選ぶことで、利便性や地域コミュニティを享受しつつ、内部を現代的に新しくすることができます。

自分の理想の住まいを作りたい人

フルリノベーションでは、間取りやインテリアをゼロから設計できるため、自分好みのおしゃれなデザインや生活スタイルに合った空間を作りたい人におすすめです。例えば、家事動線を考えた間取りに変更したり、趣味を楽しむ専用のスペースを設けたりと、既存の物件では叶えられない希望を実現できます。

環境やコストに配慮したい人

建物を再利用するフルリノベーションは、新築に比べて廃材を減らすことができ、環境に優しい選択です。また、建物の構造部分を活かすことで、新築よりも費用を抑えられる場合があります。コストと環境の両方に配慮した住まい作りを目指す人にはぴったりです。

人気エリアで新築をあきらめようと考えている人

新築が難しい人気のエリアでも、古い物件を購入してフルリノベーションを行うことで、最新設備を備えた快適な住まいを手に入れることができます。特に都市部では、新築物件の価格が高くなる傾向があるため、コストパフォーマンスの面でも有効です。

フルリノベーションが向いていない人

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次に、フルリノベーションがあまり向いていない人について紹介します。

  • 短期間で住み始めたい人
  • 建物の老朽化に不安がある人
  • 予算に余裕がない人
  • 大規模な工事に不安を感じる人

短期間で住み始めたい人

フルリノベは、短期間で住み始めたい人には向いていません。設計や施工に時間がかかるため、すぐに新居に移り住みたい人には不向きです。工期が数ヶ月に及ぶこともあり、引っ越しのスケジュールがタイトな場合は、新築や簡易的なリフォームを検討した方がよいでしょう。

加えて、リノベーション済み物件を購入するという方法もあります。下記の関連記事を合わせて読み、メリット・デメリットをおさえましょう。

建物の老朽化に不安がある人

築年数の古い物件は、見えない部分に老朽化や問題を抱えている場合があります。建物全体の耐久性や安全性に強い懸念を持つ人には、フルリノベよりも建て替えが適しているケースもあります。

予算に余裕がない人

フルリノベは、金銭的な余裕がない状態で進めると、想定外の出費に対応できず、計画が破綻してしまう可能性があります。全体的なリノベは、新築よりもコストを抑えられる可能性がある一方で、追加工事が発生した場合に予算を超えるリスクがあります。

大規模な工事に不安を感じる人

フルリノベーションは、ストレスを感じやすい人や工事そのものに不安を抱く人には向かない場合があります。フルリノベーションは、設計から工事完了まで多くの手間と決断を要するプロセスです。その過程で、打ち合わせや選択を繰り返す必要があるため、不安を抱く場合があります。

フルリノベーションで後悔しないためのポイント

key point

フルリノベーションは大きなプロジェクトであるため、計画や準備をしっかり行うことが後悔しないための鍵となります。以下では、成功のために押さえておくべきポイントを具体的に解説します。

  • 事前調査の徹底
  • 信頼できる施工会社の選定
  • 予算の余裕を確保
  • 具体的なイメージを持つ
  • スケジュール管理を徹底

事前調査の徹底

フルリノベーションでは、物件の状態を正確に把握することが重要です。購入前の段階で、プロの住宅診断士に依頼して建物の劣化状況や構造上の問題を調査してもらいましょう。これにより、配管や基礎部分の修繕が必要かどうか、また耐震補強が必要かどうかを把握することができます。

例えば、シロアリ被害や雨漏りが確認された場合、その修繕費用を予算に組み込むことで、工事後の想定外の出費を防ぐことができます。

信頼できる施工会社の選定

施工会社選びは、フルリノベーションの成否を左右する重要な要素です。以下のポイントを重視して選びましょう。

  • 実績が豊富であること
    過去の施工事例や詳しい内容が記載された資料を請求して確認し、経験豊富な会社を選ぶことが大切です。
  • 見積もりが透明であること
    相場の目安を明確に提示し、内訳が詳細に記載された見積もりを出してくれる会社を選びましょう。追加費用の可能性についても丁寧に説明してくれると安心です。
  • コミュニケーションがスムーズであること
    相談や設計変更に気軽に応じてくれ、柔軟に対応してくれる会社を選ぶことが重要です。

信頼できる施工会社を選ぶことで、工事の品質や進行状況に対する不安を軽減できます。

予算の余裕を確保

フルリノベーションでは、予算の10~20%を予備費として確保しておくことが推奨されます。追加工事や予期せぬ出費が発生した際に備えることで、計画の破綻を防ぐことができます。

例えば、解体後に予想外の修繕が必要になった場合でも、予備費があれば柔軟に対応できます。予算に余裕を持たせることで、安心してプロジェクトを進めることができます。

具体的なイメージを持つ

フルリノベーションでは、完成後の住まいを具体的にイメージしておくことが重要です。間取りやデザイン、設備の仕様について、家族全員の意見を反映させたプランを作成しましょう。

例えば、デザインについて施工会社が3Dシミュレーションを活用している場合は、具体的なイメージを共有することができます。また、キッチンやバスルームの設備については、ショールームを訪れて実物を確認するとミスマッチを防ぐこともできます。

スケジュール管理を徹底

フルリノベーションは工期が長くなることが多いため、スケジュール管理が重要です。仮住まいの手配や引っ越し日程を事前に調整し、施工会社とスケジュールの共有を徹底しましょう。

また、工事中の進捗状況を定期的に確認し、問題があれば早めに対処することで、工期の遅延を防ぐことができます。


まとめ

フルリノベーションは、古い建物を新築同様に再生させる大規模な改修工事であり、自由なデザインやコスト面、環境面でのメリットがある一方で、予算や工期、老朽化のリスクといったデメリットも抱えています。そのため、この選択肢が本当に自分に合っているのかを見極めることが重要です。

この記事を通じて、フルリノベーションの概要や魅力、リスクを深く理解し、自分の暮らしに合った選択をしていただければ幸いです。大切なのは、自分や家族のライフスタイルに寄り添った住まいづくりを楽しむことです。理想の住まいを実現する第一歩として、しっかりと準備を進めてください!

PROFILE

リノベ秋田編集部

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。