地震が多い日本で「自宅は本当に地震に耐えられるのか?」と不安に思う方は少なくありません。特に築年数が経過した家に住んでいる場合、「大きな揺れで倒壊したらどうしよう」「家族の安全を守れるか心配だ」という悩みは尽きません。このままでは地震に弱い家で過ごすことで、いつか取り返しのつかない事態に陥るリスクがあります。

この記事では、リノベーションを通じて地震に強い家を手に入れる方法をお伝えします。耐震性能を高めるための基本知識や、リノベーションでできる耐震補強の種類、費用の目安についても詳しく解説しています。安心して暮らせる住まいを実現するための第一歩を踏み出しましょう。

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リノベ秋田編集部

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

なぜ地震に強い家が必要なのか?

地震で倒壊する建物

日本が地震大国である理由

日本は「地震大国」として知られています。なぜなら、日本は地球のプレートが衝突する場所に位置しているからです。このプレートとは、地球の表面を覆う巨大な岩盤のことを指します。

日本周辺では、4つのプレート(ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート)がぶつかり合っており、その境界で地震が頻繁に発生します。つまり、日本は地震が起きやすい地形にあるということです。

そのため、日本に住む私たちは、日常的に地震対策を意識し、地震に強い家に住むことが非常に重要です。

地震に備えるための法律と基準

日本では、地震に対する対策として、いくつかの法律や基準が定められています。その代表的なものが「建築基準法」です。

この法律は、建物を建てる際の最低限の基準を定めており、地震に対する耐震性能もその中に含まれています。建築基準法は、度重なる大地震を経て改正され、現在では非常に厳しい基準が設けられています

例えば、1981年に改正された「新耐震基準」では、震度6強~7の地震でも倒壊しない構造が求められるようになりました。この基準に基づいて建てられた家は、旧耐震基準に比べて非常に強固であるとされています。また、2000年にはさらなる改正が行われ、より細かい耐震設計が求められるようになっています。

リノベーションで地震に強い家を手に入れる!

震度の大きな地震が発生しやすい、地震大国の日本であるからこそ、耐震性を高めた家に住むことが大切であることを理解していただけたかと思います。では、地震に強い家を手に入れるためには、具体的にどうすればいいのでしょうか?

新築であれば、最新の建築基準法、つまり最新の耐震基準に従って設計・施工されるため、優れた耐震性のお家を手にすることができます。

しかし、すべての人が注文住宅を建てたり、建売の新築を探し、購入して住み直すというのは現実的ではありません。そこで、注目したいのが、リノベーションによる中古住宅の耐震性能向上です。

リノベーションとは、既存の建物に対して改修を行い、新しい機能や性能を付加する工事のことで、その自由度の高さが特徴の一つです。フルリフォームといわれることもあります。この記事でテーマにしている、耐震補強もリノベーションの一環として行うことができます。

耐震性能を高めるための基本知識

house knowledge

地震に強い家を建てるためには、耐震性能を理解し、適切な対策を考えることが重要です。ここでは、耐震性能に関する下記の基本知識を紹介します。

・耐震等級について
・「耐震」「制震」「免震」の違い
・家の基礎(土台)について

耐震等級について

「耐震等級」とは、建物の耐震性を示す指標で、1から3までの等級があります。耐震等級1は、建築基準法で定められた最低限の基準を満たすもので、震度6強~7程度の地震でも倒壊しないことが求められます。

耐震等級2は、等級1の1.25倍の強度を持ち、主に学校や病院などの避難施設で用いられる基準です。

耐震等級3は、さらにその1.5倍の強度を持ち、警察署や消防署などの災害対応拠点に求められる基準です。

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「耐震」「制震」「免震」の違い

地震対策の手法は、「耐震」「制震」「免震」の3種類があり、それぞれ異なる役割を果たします。これらの違いを理解し、自分の家に最適な対策を選ぶことが重要です。

耐震とは?

「耐震」は、建物自体を強固にして地震の揺れに耐えることを目的としています。壁や柱、基礎部分を強化することで、地震の力を直接受けても倒壊しないように設計されます。耐震構造の家は、揺れが発生した際に建物が変形しながらも崩れないようになっています。耐震は、すべての家に必要な基本的な対策であり、日本の建築基準法でも必須とされています。

耐震構造は、地震の揺れに対して建物全体が一体となって耐えるため、揺れそのものを軽減することはできません。しかし、建物が崩れないことが最優先であるため、多くの住宅で採用されています。

制震とは?

「制震」は、建物の内部に制震装置を設置し、地震時の揺れを吸収・抑制する技術です。耐震構造だけでは、地震のエネルギーをすべて建物が受け止めるため、ダメージが蓄積されやすくなります。制震装置は、このエネルギーを吸収する役割を果たし、建物全体の揺れを抑えることで、地震後の損傷を軽減します。

制震技術は、特に中規模の地震や長時間の揺れに対して効果的です。例えば、高層ビルやマンションなど、揺れが長く続くケースでは制震装置が重要な役割を果たします。戸建て住宅にも制震装置を組み込むことができ、地震後の修繕費用を抑える効果があります。

免震とは?

「免震」は、建物を地面から切り離して、揺れを建物に伝わりにくくする技術です。免震構造では、建物の基礎部分にゴムやバネなどの免震装置が設置されており、地震の際に建物が直接揺れを受けず、水平に動くことで揺れを吸収します。これにより、建物の内部にいる人や家具などに与える影響を最小限に抑えることができます。

免震は、特に大地震に対して非常に効果的で、揺れそのものを大幅に小さくできるため、地震後の生活を継続しやすいというメリットがあります。免震構造は、コストがかかるため、一般住宅では少し高額になりますが、重要な設備や高価な家財を守りたい場合には大変有効な選択肢です。

耐震・制震・免震の使い分け

耐震、制震、免震のいずれも地震対策として重要ですが、それぞれの特性を理解し、適切に使い分けることが大切です。例えば、一般的な住宅であれば「耐震+制震」を組み合わせることで、地震後の修繕リスクを抑えつつ、建物の安全性を高めることができます。一方で、免震はコストがかかるため、特にリスクの高い地域や重要な施設で採用されることが多いです。

自分の家が建つ地域の地震リスクや家族の生活スタイルに合わせて、どの対策が最適かを検討することが重要です。専門家に相談し、自分の家に最適な地震対策を選びましょう

家の基礎(土台)について

基礎とは、地面と建物をつなぐ部分で主に鉄筋やコンクリートでできています。基礎の主な役割は二つあります。一つ目は建物を支え、地面に建物の荷重を均等かつ効率的に流すことです。そして二つ目は湿気を建物に侵入させないことです。建築物の基礎部分は外観だけでは判断できませんが、耐震性に直結する重要な要素です。

基礎で多く用いられているのがベタ基礎と布基礎です。どちらも建築物と床をつなぐ箇所である点は共通していますが、支え方が異なります。ここからはベタ基礎と布基礎の違いを見ていきましょう。

ベタ基礎

ベタ基礎とは、底板をすべて鉄筋コンクリートで造る基礎の工法です。床下すべてで建物の重量を受け止め、支えています。地面をコンクリートで覆ってしまうため、湿気を防ぎ、シロアリ被害も少ない工法です。

布基礎と比べると耐震性が高いのが特徴で、地盤沈下や建物の傾きも防ぐことができます。地盤が軟弱な場所や重量のある住宅に適しており、2024年現在、多くの住宅で採用されています。

しかし鉄筋やコンクリートの使用量が多いため、コストがかかるというデメリットがあります。また、冬に地中が凍結すると基礎が持ち上げられ、建物にダメージを負うことがあるため、ベタ基礎は北海道などの寒冷地に不向きと言われています。

布基礎

布基礎は、鉄筋コンクリートの基礎を柱や壁などの下に打ち込む工法です。横から見ると逆T字状の断面を持ちます。面で支えるベタ基礎に対して布基礎は立ち上がり部分によって線で支えます。

ベタ基礎と比べて、使用する鉄筋やコンクリートの量が少ないため、比較的コストを抑えることが出来ます。

一方で、布基礎は耐震性がベタ基礎よりも劣ります。また、地震の際には建物全体が均一に揺れるのではなく、部分的に異なる動きをする可能性があるため、建物に歪みが生じるリスクもあります。しかし、強度の高いコンクリートを採用するなどの対策でこれらの弱点を克服することが出来ます。

耐震性能について比べると、布基礎よりもベタ基礎を採用する方が良いと言えます。

高い耐震性能をもつ家を選ぶには?

耐震性能に関する基本知識はわかったけど、高い耐震性能をもつ家の選び方がわからないという方に、確実に耐震性能が高い家を選べる、下記の方法を参考にしてみてください。

・住宅性能表示制度を参考にする
・長期優良住宅を選ぶ
・住宅展示場で実際に見る・聞く

住宅性能表示制度を参考にする

耐震性を評価する際には、ハウスメーカーが提供する住宅の耐震性能を公的に評価し、数値化している「住宅性能表示制度」の評価を参考にすると良いでしょう。これにより、各ハウスメーカーの住宅がどれだけの耐震性を持つかを比較しやすくなります。

劣化対策や断熱等性能などの等級も知ることが出来るので家を決める際の一つの基準になります。

長期優良住宅を選ぶ

長期優良住宅とは、一般的な住宅より品質に優れると市区町村などから保証された住宅です。認定基準は、耐久性や手入れのしやすさなど様々ありますが、その一つに耐震性が含まれています。長期優良住宅では耐震等級2か3のいずれかを満たしていることが多いです。

しかし、長期優良住宅は高性能な住宅であるために、設計費用や建材などにコストがかかってしまうため、一般住宅よりも割高な傾向があります。また、品質を保つための定期的なメンテナンスが欠かせませんので、その費用負担もしなければなりません。このようなデメリットも把握したうえで、決定するのをおすすめします。

住宅展示場で実際に見る・聞く

耐震性他、住まいを構成する様々な要素を体感できるのが、住宅展示場です。モデルハウスが展示されており、住まいに関心がある方はどなたでも、無料で、見学できます。

ここでは耐震性能ほか、リフォームや予算など、住まいに関連する様々な不安や悩みを、ハウスメーカーのスタッフに相談することが出来ます。調べただけではわからないところまで詳しく知ることが出来るのでおすすめです。

子供向けのイベントなどを実施してるところもありますので、家づくり、家選びに迷っている方は是非一度訪れてみてください。

地震に強い家の4つの特徴とは?

家の基礎

地震に強い家を建てるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、特に注目すべき4つの特徴を解説します。

・①シンプルな形の家
・②低い建物
・③軽い屋根や建物
・④強い地盤

1.シンプルな形の家

家の平面の形状が正方形や長方形に近いほど、地震時の揺れを受け流しやすくなります。これは、家の形が複雑になると、建物全体にかかる力のバランスが崩れやすくなり、特定の部分に大きな負荷がかかってしまうからです。

例えば、L字型やコの字型の家は、角の部分が特に揺れに弱くなりがちです。一方で、四角い形の家は、全体方向に均等に力が分散されるため、揺れに対する強さが増します。実際に耐震性の高い建物の多くは、シンプルな形状をしていることが多いです。

地震に強い家の形

2.低い建物

平屋や総二階建ての家は、地震時の揺れが少なく、安定性が高いです。建物が高くなるほど、揺れの影響が大きくなり、倒壊のリスクも増します。したがって、低層の建物を選ぶことが、地震対策として有効です。

3.軽い屋根や建物

建物の重量も、地震に強い家を建てるための重要な要素です。特に屋根の重さが建物全体に与える影響は大きく、重い屋根が地震時に大きな揺れを引き起こす原因となります。軽い屋根材を使用することで、地震の際の揺れを軽減でき、倒壊のリスクを減らすことができます

例えば、瓦屋根は美観や耐久性がある一方で、非常に重いため、地震時に大きなリスクを伴います。逆に、金属製の屋根材や軽量なスレート材は、耐震性を高めるのに適しています。

4.強い地盤

いくら耐震性の高い設計をしても、地盤が弱い場所に建てられた家は、地震時に大きな被害を受けやすくなります。強固な地盤の上に建てることで、建物全体の安定性が向上し、地震に対する耐久性も高まります

特に軟弱地盤や埋立地など、地盤が弱い土地では、地震の際に「液状化現象」が発生するリスクがあります。液状化現象とは、地震の揺れによって地盤が一時的に水のように柔らかくなり、建物が沈んだり傾いたりする現象です。こうしたリスクを避けるためには、事前に地盤調査を行い、適切な場所に家を建てることが重要です。

地震に弱い家の特徴とは?

地震 家 壊れる

地震に強い家を目指すためには、まず自分の家が地震に対してどの程度の耐性を持っているかを知る必要があります。下記に示す、地震に弱い家の特徴に該当しているかどうかをチェックしてみましょう。

・複雑な形状や縦長の家
・大きな窓や吹き抜けがある
・築年数が長く、古い耐震基準で設計されている
・建物の構造に問題がある
・重心の偏りがある

複雑な形状や縦長の家

先述したように、複雑な形状の家は、地震時に揺れに対して不利です。特に、縦に長い家や、不規則な形をした家は、揺れが一方向に集中しやすく、倒壊のリスクが高くなります。また、家の一部分が他の部分よりも大きく揺れることで、ひずみが生じやすく、全体のバランスが崩れやすくなります。

大きな窓や吹き抜け

さらに、大きな窓や吹き抜けのある家も地震に弱いとされています。窓や吹き抜けは、家の構造を支える壁が少なくなるため、揺れに対する耐久性が下がる原因となります。特に、吹き抜けのある空間は、上下階の間で構造的なつながりが弱くなるため、地震時に崩れやすいと言われています。

築年数が長く、古い耐震基準で設計されている

1981年以前に建てられた住宅は、古い耐震基準で設計されている可能性が高いです。この基準は、1978年に発生した宮城県沖地震を受けて見直されたものですが、それ以前の基準では大規模な地震に耐えられないケースが多くあります。

新しい耐震基準に基づいて建設された住宅は、地震に対する耐性が高いですが、築40年以上の家の場合、耐震補強が必要となることが多いです。

建物の構造に問題がある家

地震に弱い家は、建物の構造そのものに問題があることがあります。例えば、木造住宅であれば、柱や梁が老朽化していたり、接合部分が弱くなっていると、地震時に家全体が大きく揺れる原因となります。

また、増築部分がある住宅は、建物のバランスが悪くなり、地震時に崩壊しやすくなります。増築部分と元の建物の接合部が弱点となり、地震の揺れが集中しやすくなるためです。

重心の偏りがある家

地震に弱い家は、建物の重心が不均衡であることが多いです。具体的には、家の片側に大きな窓や開口部が集中している場合や、一部にだけ重い設備(例えば、石の外壁や重い屋根材)が使用されている場合です。このような家は、地震時に片方に傾きやすく、倒壊のリスクが高まります。

耐震診断で家の状態をチェック

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自分の家が地震に強いのか弱いのかを確認するためには、専門家による耐震診断を受けることが有効です。耐震診断は、専門の技術者が建物の耐震性能を評価し、必要な補強の範囲や内容を提案するための調査です。

耐震診断では、建物の構造や築年数、材質などを総合的に評価し、耐震性の弱点を特定します。この診断の結果、どの部分に耐震補強が必要かが明確になるため、リノベーションの際に的確な補強工事を計画することができます

耐震診断は、自治体が提供する補助金制度を活用することができる場合もあります。自治体によっては、耐震診断の費用を一部または全額補助してくれる制度があるため、これを利用することで費用負担を軽減することができます。

リノベーションで耐震性を向上させる方法

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地震に強い家を実現するためには、リノベーションを通じて耐震性を向上させることが不可欠です。ここでは、耐震補強の具体的な方法や、その効果について詳しく説明します。

・耐震補強とは何か?
・耐震+制震でさらなる安心を

耐震補強とは何か?

耐震補強とは、地震に対する建物の耐性を高めるための工事のことです。具体的には、家の構造部分を強化することで、地震の際に建物が倒壊したり損壊するリスクを減らすことを目的としています。耐震補強にはさまざまな方法がありますが、主な工法を以下に紹介します。

基礎補強

建物の基礎部分を強化することで、地震の揺れが直接建物に伝わりにくくします。基礎補強には、既存の基礎にコンクリートや鋼材を追加する方法や、地盤に杭を打つことで建物全体を支える方法があります。基礎部分が強化されることで、家全体の耐震性が向上します。

壁の補強

耐力壁と呼ばれる強化された壁を追加することで、地震時の揺れを効果的に抑えます。壁の補強には、壁内部に筋交い(柱と柱の間に斜めに入れる補強材)、鋼材や合板を取り付ける方法があり、これにより建物が揺れによって変形するのを防ぐことができます。特に、柱や梁に依存した構造の住宅では、壁の補強が非常に有効です。

柱や梁の補強

木造住宅では、柱や梁が家全体の耐震性を支える重要な要素です。これらの部分に補強材を追加することで、地震時の揺れに対する耐性が向上します。例えば、柱や梁に金具を取り付けることで、接合部分の強度を高めることができ、横方向への振動に強くなります

耐震+制震でさらなる安心を

耐震補強だけではなく、制震技術も取り入れることで、家の安全性をさらに向上させることができます。制震技術とは、地震の揺れを吸収し、建物に伝わる衝撃を軽減するための技術です。

制震装置としては、制震ダンパーが代表的です。この装置は、建物の内部に設置され、地震の際に発生する揺れを吸収し、建物全体に伝わる揺れを軽減します。

耐震補強と制震技術を組み合わせることで、より高いレベルの地震対策が可能になります。特に、地震の頻度が高い地域や、大きな揺れが予測される地域にお住まいの方にとっては、制震装置の設置が有効な選択肢となるでしょう。

木造住宅での耐震補強のポイント

耐震補強

日本の住宅の多くは木造住宅であり、木造住宅の耐震補強は非常に重要なテーマです。木造住宅の特性に合わせた補強方法を理解することで、地震に強い家を実現することができます。

・木造軸組工法の家の耐震補強方法
・補強工事の費用感と工期

木造軸組工法の家の耐震補強方法

木造軸組工法とは、柱や梁を組み合わせて建てられた日本伝統の建築工法です。この工法は、柔軟性があり地震の揺れに対しても強い一面がありますが、接合部の強度が不十分な場合、地震時に家全体が大きく揺れてしまうリスクもあります。木造軸組工法の家では、以下のような補強方法が有効です。

接合部の補強

木造住宅では、柱と梁の接合部分が地震時に大きい揺れを受けるため、ここを強化することが重要です。金具を使用して接合部分をしっかり固定することで、地震の揺れに対する強度が高まります。また、接合部の補強は、建物全体の安定性を向上させるために不可欠です。

耐力壁の追加

木造住宅では、耐力壁を適切に配置することで、地震時の揺れを効果的に分散させ、建物全体の耐震性を高めることができます。またこの際に、建物の1階と2階の同じ位置に耐力壁をつくると、より頑丈で耐震性の高い建物となります。そのため、耐力壁の位置と建物の間取りをよく考慮した上で、リノベーションのデザインを決めることが重要です。

基礎の補強

木造住宅でも、基礎部分の補強が重要です。特に、築年数が古く、基礎がコンクリートではなく石積みや土台である場合、基礎を補強することで家全体の耐震性が向上します。基礎部分がしっかりしていれば、地震時の揺れが家に伝わりにくくなります。

住まいの工夫をする

建物の内側に関しても、地震が起こった際、安全を確保するために気を付けておくべき点があります。例えば、背の高い家具は造りつけにする、大型家電は壁に固定するか耐震マットを貼る、といった対策があります。

また非常時に避難経路となり得る廊下や玄関周りのガラスには、飛散防止フィルムを貼るという工夫もできます。自宅で気軽に取り入れられるものから対策を始めてみるのも良いでしょう。

補強工事の費用感と工期

木造住宅の耐震補強工事には、費用と工期がかかりますが、その範囲は住宅の状態や補強の内容によって異なります。

費用感

一般的に、耐震補強工事の費用は、部分的な補強であれば数十万円からスタートします。例えば、接合部の補強や耐力壁の追加などの部分的な工事であれば、約50万円程度から実施可能です。

一方、基礎補強や全面的な耐震補強を行う場合、100万円から300万円以上かかることがあります。リノベーション全体と組み合わせることで、コストを抑えることも可能です。

工期

補強工事の工期は、補強の範囲や内容によって異なります。小規模な部分補強であれば、数日から1週間程度で完了することが多いです。全面的な耐震補強工事を行う場合は、1か月以上かかることもあります。リノベーションのスケジュールと調整しながら進めることで、効率的な工事が可能になります

リノベーションを成功させるための注意点

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リノベーションを通じて耐震補強を行う際には、いくつか注意すべき点があります。

・リノベーションのタイミングと耐震補強の相性
・リノベーションで使える補助金制度

これらのポイントを押さえておくことで、リノベーションをスムーズに進めることができ、耐震性の向上を効果的に実現することができます。

リノベーションのタイミングと耐震補強の相性

リノベーションを計画する際、耐震補強と同時に行うタイミングが非常に重要です。大規模なリノベーションを行う場合、耐震補強を一緒に実施することで、工事の効率を高め、コストを抑えることができます。

例えば、キッチンやバスルームのリノベーションと同時に耐震補強を行うことで、内装工事と補強工事を並行して進めることができるため、工事全体の期間を短縮することができます。また、耐震補強は建物全体のバランスを考慮する必要があるため、リノベーションと同時に計画することで、より効果的な補強が可能です。

さらに、耐震補強のタイミングは、家族のライフスタイルの変化に合わせることも大切です。例えば、子供が独立して家をリノベーションするタイミングや、老後の住まいを快適にするためのリノベーションを行う際に、耐震補強を取り入れることで、より安心して暮らせる環境を整えることができるためおすすめです。

リノベーションで使える補助金制度

リノベーションや耐震補強にかかる費用は、決して安くはありませんが、国や自治体が提供する補助金制度を活用することで、費用負担を軽減することが可能です。

例えば、国土交通省が提供する「耐震改修促進事業」や、自治体が独自に運営している耐震補強の補助金制度があります。これらの制度を利用することで、工事費用の一部を補助してもらえるため、リノベーションのコストを抑えることができます。

補助金の内容や条件は地域によって異なりますが、多くの自治体が耐震診断や耐震補強工事に対して補助を行っています。補助金を活用するためには、まずは自治体の窓口やウェブサイトで情報を確認し、条件に合う制度を見つけることが重要です。

まとめ

地震に強い家を実現するためには、リノベーションによる耐震補強が非常に有効です特に、築年数が経過した木造住宅や、古い耐震基準で建てられた住宅では、リノベーションを通じて耐震性を向上させることが、安全で快適な暮らしを守るための大きなステップとなります。

地震対策は、今すぐにでも始めることができるものです。流れとしてまずは、自分の家の耐震診断を受け、どの部分に耐震のための改良が必要かを把握しましょう。その上でリノベーションを依頼できる会社の、プロの専門家に相談・質問しながら、最適な計画を立てていくことが大切です。

また、リノベーションにはコストがかかるというデメリットがありますが、補助金制度を活用することで請求される費用を軽減することが可能です。補助金制度や工事のスケジュールをしっかりと計画し、地震に強い家を実現することで、安心して暮らせる住まいを手に入れましょう。

地震に備えた家づくりは、家族の命と財産を守るための重要な投資です。ぜひこのコラムを参考にして、早めの判断と対策で、安心して暮らせる環境を整え、将来に備えていきましょう。

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リノベ秋田編集部

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。

お家全体の「基本性能」にまで踏み込んで、新築注文住宅や建て替え以上の可能性をご提案するのがリノベ秋田の「性能向上リノベーション」です。間取りの変更や内外装・設備の改修に加えて、断熱と耐震の向上を施した新築同様の性能をもつリノベーション住宅を提案いたします。